中期経営計画の作り方

中期経営計画とは、企業が中期的に目指す、あるべき姿と現状とのギャップを埋めるための計画のことです。

明確な定義は存在しませんが、3〜5年程度の期間を意味することが多いです。

■中期経営計画を作成するメリット
中期経営計画を作ることにより、①会社の課題や現状を整理することができるというメリット、②達成すべき目標が明らかになるというメリット、③社員が経営について考えるようになり、その結果、社員ひとりひとりに考える習慣が身につき、現場に落とし込んだ計画が正しくPDCAされるようになるというメリットなどを受けることができます。

■中期経営計画の作り方
中期経営計画の作成の方法を説明します。

STEP①：経営理念を明確にする
中期経営計画を作る上で一番はじめにすべきことは、経営理念を明確にすることです。
経営理念は、①ミッション、②ビジョン、③バリューの３要素に分けることができます。

①ミッション
ミッションとは、企業が果たすべき使命、存在意義を意味します。

企業活動を通じて世の中にどのように貢献していくのかという企業の「あり方」を示すものです。

②ビジョン
ビジョンとは、企業がミッションを達成するために目指すべき姿のことを意味します。

例えば、「３年後に売上を100億円にする」などといった具体的な数値目標を指します。

③バリュー
バリューとは、企業の価値観や行動規範を意味します。

例えば、「お客様ファーストで丁寧なサービスを提供する」などといった社員が行動する際の手本・規範を指します。

中期経営計画はこれらの経営理念を社員に共有し、実現するためのものです。経営計画を策定する前に再確認し、中期経営計画の中で明確にします。

STEP②：自社の現状を把握する
次に自社の現状から、強み・弱みなどを客観的に分析します。
例えば、決算書のデータや従業員数や構成比率といった人的リソースなどが分析対象です。そのほかにも、各事業部の販売力や開発力、成長性、組織風土なども分析していきます。これによって、自社にどのような経営リソースがあり、強みは何か、足りないものは何かなどを明確にします。

STEP③：外部環境を分析する
次に自社の周辺の環境を分析します。
競合他社の戦略・シェア・価格・品質・機能・技術力などといったものから、市場の成長性、お客様の傾向などを分析していきます。

STEP④：中期的な戦略を決める
STEP②、③の分析結果をもとに、「どの事業に注力するか？」、「どこに事業を展開するか？」といったビジネスドメインを決めます。

中期経営戦略を立てるときには、自社のドメインなどを再確認し、SWOT分析などを行い、どうしたら自社の強みを活かせるかなどを分析し中長期的戦略を立てます。

STEP⑤：数値目標・行動計画を作る
経営理念のビジョンを達成するためにSTEP④の戦略をベースに数値目標と行動計画を作ります。ビジョンの達成にはどの程度のリソースが必要かというように逆算し、数値目標を定めます。

そのうえで、その数値目標を達成するためには各部門がどのような行動をとるべきかといった具体的なアクションプランを練ります。

この５つのステップによって中期経営計画を作成することができます。
ぜひ中期経営計画を作成し、経営に役立てましょう。

税理士法人いろは会計では新潟市、長岡市、阿賀野市、新発田市をはじめとして「自計化」、「経営計画」、「事業承継」などに関する税務相談を承っております。「経営計画」に関してお困りのことがございましたらお気軽に当事務所までお問い合わせください。